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2025/07/25実籾CSNew!
面白い問題シリーズ「国語」
こんにちは。進学塾3Arrows実籾CSの髙橋です。面白い問題シリーズ, 今回は国語です。

さっそくですが, 2024年度の滋賀県公立高校入試問題にて, 

「麦の秋」や「麦秋」は, どの季節の季語か?

という趣旨の出題がありました。

わかりますか…? 
この方面に詳しい人は一瞬でわかったかもしれませんが, ほとんどの人は「え? 秋じゃないの?」と戸惑ったのではないでしょうか。


実はこの問題は長文問題の中の1問で, 本文にヒントが書かれています。

その部分を要約すると…

「竹の秋」は春の季語である。なぜなら, 竹は春に黄葉するため, 他の木々にとっての秋のようだから。

というものです。

これをヒントにして考えてみましょう。

1, 「竹の秋」は春の季語。なぜなら竹が黄葉する時期(竹にとっての秋)は春だから。
2, ということは, 「麦の秋」すなわち「麦にとっての秋」は, 「麦が黄金色に染まる季節」と考えられる。
3, 麦が黄金色に染まるのは, 収穫時期である初夏。
4, よって, この問題の答えは「夏」となる。
 
このように, この問題は季語の知識がなくても理屈で解くことができます。面白い問題ではないでしょうか。


さて, ここで, 「この問題は『麦が色づくのは初夏』という知識がなければ解けないではないか。はたしてそんな知識を中学生が持っているのか?」
と疑問に感じた方もいるでしょう。正直なところ, 私もそう思いました。

しかし調べてみると, この問題が出題された滋賀県は, 麦の生産が盛んな地域なのです。(令和4年時点で全国6位)

このことから私は, 問題作成者からの
「『麦の秋』や『麦秋』を知らなくても, 本文から論理的に考えれば, これらが『麦にとっての秋』を示すことはわかるはず。そして, 滋賀県民なら『麦にとっての秋』が初夏だということは知っていてほしい。」
というメッセージを感じ取りました。


…長々と書いてきましたが, 要するにこの問題には, 「論理的に思考する力」と「地元に関する知識」の2点を問う意図があったのだろうと考えています。そして, この2点をとても自然に融合させている点で, 良問かつ「面白い問題」だと言えるでしょう。

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